量子情報:北海道大学大学院情報科学研究科情報エレクトロニクス専攻先端エレクトロニクス講座

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研究成果

 最近の成果を紹介します. 研究していることは量子情報システムの実装ということになります.量子暗号鍵配付だけでなく,将来の量子情報処理システムの基本となるプロトコル,量子情報処理で使う光デバイスの研究もしています.
特に,現実の環境では避けることのできない不完全性や周りからの擾乱に対しても安定に動作させる方法を考えています.このため,実験と理論の両面から研究を進めています.
量子暗号,量子情報処理システム,量子光デバイスそれぞれの成果は下のサムネイルからごらんください.といっても,研究室はまだ立ち上げの最中ですので,これまでJST ERATO(SORST)やNECでやった仕事とその続きが多いです.少しずつですが独自の成果も出てきています.

最近の学会発表

日本物理学会第67回年次大会 2012.3.24-27

  • 辻野賢治・富田章久, ”Sub-Geiger mode APD光子検出器における光子計数特性”26pBE-3

電子情報通信学会総合大会 2012.3.20-23

  • 鈴木貴士,富田章久,岡本淳,”量子状態を用いたグループ秘密分散を利用した量子リレー方式”A-7-12
  • 宮本義人・辻野賢治・片岡 淳・富田章久, 深宇宙通信システムへの応用を目指したサブ・ガイガーモードInGaAs APD単一光子検出器の開発”B-2-58

第25回量子情報技術研究会 2011.11.21-22

  • 松岡史晃,富田章久,岡本淳,”スクイーズ光の量子バスによる原子間量子もつれの識別限界”QIT2011-68
  • 中田賢祐,富田章久,岡本淳,”超伝導qubitと光子qubitとの間の量子もつれの生成”QIT2011-87

卒業論文・修士論文

2011年度 卒業論文

  • 小林 俊哉,”量子鍵配送における送信光パルス間の位相相関の評価”  量子鍵配送において,盗聴者に光パルス間の位相が知られると安全性が低下することが知られている. これまで,位相相関がないことが仮定されてきたが実験的な証明はない.本研究では,位相相関を測定する実験系を構築し,評価を試みた.
  • 橋本 裕史,”周波数によるqudit量子もつれ光子対の生成” 多次元量子もつれは2次元量子もつれよりも量子性が強く現れることが 期待される.本研究では周波数についてもつれ合った光子対の生成と評価を行う.光子対を生成する周期的位相反転LiNbO3結晶の設計し, 位相変調器を用いた測定で得られるBell不等式の破れの大きさを計算した.

2010 年度 卒業論文

  • 中田 賢祐,”ノイズレスサブシステムを使った量子メモリに関する研究”  量子コンピュータ,量子中継の実現には,量子重ね合わせ状態(コヒーレンス)を保持するメモリが必要である. 外部とのアクセスとコヒーレンスの保持の両立は難しいがこれをノイズレスサブシステムを用いて実現することを提案した. Er3+イオンの電子状態を使うことでノイズレスサブシステムが実現可能なことを示した.

2010 年度 修士論文

  • 松岡 史晃,”フォトニック結晶中の三準位原子の自然放出に対するターゲッテッド光学制御に関する研究”  フォトニック結晶では光子の状態密度が0となるエネルギー帯(フォトニックバンドギャップ)が生じる場合がある. フォトニックバンド端付近に遷移エネルギーをもつ三準位原子のスペクトルには励起準位間の量子干渉によって光子が原子付近に 局在して放出されないダークラインと呼ばれる減少が生じる.このダークラインの発生や周波数は光学的に制御できる. 本研究ではダークラインの周波数を制御することで不均一拡がりのある固体中の不純物イオンにダークライン制御を行うことで 特定のイオンを選んで光の局在・非局在をスイッチングするデバイスをことを提案した.論文では消光比の見積や分離に必要な イオンの遷移周波数差を計算した.

講演スライド

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講義資料

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▼ 研究成果

Akihisa Tomita
教 授
富田 章久
Akihisa Tomita
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